ハリナシバチの秘密
ハリナシバチ。
その名のとおり、針が退化しているためミツバチのように刺すことのない、体長3~10mmほどの小さな蜂です。
日本ではなじみのない蜂ですが、世界中の熱帯・亜熱帯地域に400~500種類ほど生息し、マレーシア・ボルネオ島のハリナシバチだけでも35種類ほど存在すると言われています。
ハリナシバチは、外敵から身を守るため木や岩の間に巣を作ります。
巣も、よく知られている六角形のハニカム構造ではなく、「ハニーポット(ポーレンポット)」と呼ばれる樹脂由来のプロポリスでできていて、茶色く丸いつぼのようなものが無数につながった複雑なつくりになっています。


その中に蜜や花粉を蓄えるので、ハニーポットで熟成されたはちみつには、プロポリスが自然に溶け込んでいます。
プロポリス由来のポリフェノールが加わったハリナシバチのはちみつは、黒くて甘酸っぱい味わい。一般的なはちみつよりも糖度が低いので甘さも控えめ。巣から直接ストローで飲めるほどサラサラとしていて結晶化しにくく、吸収されやすいのが特徴です。
また、希少な糖類「トレハルロース」が多く含まれていてGI値が低いため、「血糖値が急上昇しにくい」「腸内環境を整える」「虫歯になりにくい」などの健康効果も分かっていて、近年世界中から注目を集めています。マレーシアの農業省・研究機関から認定されたマレーシア初のスーパーフードです。
マレーシアでは森に限らず街中でもよくみかける、ごくありふれた存在のハリナシバチは熱帯雨林にとっては大切な受粉役です。その能力を農業分野においても生かすことで、農家は蜂蜜という副産物を得ながら収穫量の向上も見込めるようになりました。
また、通常の蜂と違い、その名の通り針が無く、刺さないという特徴のおかげで導入のハードルも低く、それまで小規模ながら一部で培われた養蜂技術とともに普及しました。
体に良いハチミツ、農業に役立ち、自然にとっても大切なハリナシバチ。養蜂を通じて地元の人達が身近な自然環境の価値を見直すきかっけにもなっています。